不動産仲介業者の売却方法と一括査定

買ってしまってから「欠陥」が発覚するという悪夢

今、日本の中古住宅市場ではどんなことが起きているのでしょうか。はじめに、いくつかの事例を通して、現状の問題点を探ってみましょう。まず、築日年の木造住宅を購入した人のケースから。

その家には、引き渡しぎりぎりまで売主が住んでいたため、購入者が建物をじっくり見ることができたのは、引き渡しの翌日のことでした。

改めて家じゅうを観察すると、玄関ドアに隙聞があるうえ、そのドア枠が外壁のタイルと平行になっていないことが発覚。さらに、2階に上がってみると、網入り窓ガラスにヒピが2カ所も見つかりました。また、築8年の中古住宅を購入した人のケース。

入居してしばらくは何事もなかったのですが、2カ月が過ぎた頃に到来した台風で雨漏りが発生しました。まさにこれから、住宅ロiンの返済が始まろうというタイミングでした。

これらはいずれも、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた相談事例です。前者の「玄関ドア枠と外壁タイルが平行でない」という例は、最悪の場合、建物の構造体そのものがゆがんでいる恐れがあります。

もし大地震にでも見舞われれば、倒壊する危険もないとはいえません。また、後者の「雨漏り」は住んでいて不自由なだけでなく、構造体を腐らせるなど、建物に深刻なダメージを与えかねません。

しかも、このケースでは入居後2カ月を過ぎているため、売主の責任を問えない可能性があります。新しく家を建てるときは、使用する建材や設備機器、設計の内容をこと細かに書面にし、そのとおりに施工する前提で契約を結びます。

引き渡し後、万一建物の構造にかかわるような動蜘(欠陥のこと)が発見されれば、10年聞は施工会社や売主が保証義務を負うことが法律で定められています。

しかし、中古住宅の場合は、仮に新築時の設計書類が保存されていても、完成してから人が住み、年月を経ているため、傷み方や手入れの状態まではなかなか文書では表現しきげんきょうゆうーれません。

そこで、「現況有姿」、つまり「現在あるがままの状態」を前提に取引を行うのが一般的になっています。窓ガラスのヒピなどは、事前にチェックして補修や価格の交渉をしておかなければならず、ひとたび売買が成立すれば、それは「現況有姿」として取引の範囲内であったと認定されてしまうのです。

さて、ここで問題になるのは、ガラスのヒピなら目で見て発見できるけれど、壁の中に隠れている柱や梁がどうなっているかはわからない、ということです。そして、住宅で最も重要なのは、その隠れている部分。建物を支える構造体や断熱材など、壁の内側にあるものこそが、建物の寿命と性能を決定づけるのです。

建物の質が悪くても、売主や仲介業者の責任は問えない?

もうひとつ、トラブルの事例を見てみましょう。Xさんが購入したのは、築幻年のリフォーム済みの中古住宅でした。売買契約は、「現況有姿」に同意して結びました。

しかし、あるとき1階和室の巾木に虫食いを発見。そこで床下を確認してみると、土台はシロアリに侵食されていましたたとえ「現況有姿」の取引であっても、売買時点では知りえなかった暇痕については売主に責任を問うことができます。このケースの場合も、売主に対して、暇庇担保責任に基づく補修費用等の支払いが命じられました。

ただし、破庇担保責任の対象や期間については、事前に契約書で取り決めておかなければなりません。このとき、売主が不動産会社なら、「宅地建物取引業法」の定めで最低2年以上の暇庇担保責任が義務づけられています。しかし、中古住宅では、売主が個人であるケ1スが多いのです。

そして、個人の場合は暇庇担保責任を2カ月程度とするのが一般的になっています。つまり、冒頭の相談事例では、雨漏りが起きたのが入居後2カ月を過ぎていたため、売主の責任を問えない可能性が高いわけです(ただし、知っていて黙っていたなど、売主に悪意がある場合は責任追及が可能)。

さらに、築10年以上の中古住宅では、暇抗担保責任そのものを免除する契約が通例となっています。シロアリのトラブル事例に戻ると、ここでもうひとつ見逃せないのは、売買を仲介した不動産業者が何の責任にも問われていないことです。

買った一般消費者は、不動産会社は「住宅のプロ」と捉えていたことでしょう。それなのに判決では、業者は「土台を見ることはなく、シロアリについて特別に知識があるとはいえないことから、欠陥を認識し、または過失により認識しなかったということはできない」としています。

つまり、不動産会社がシロアリを見逃したのは無理もないことだから責任は問えない、という理屈です。では、ここまでの問題点を整理してみましょう。

  • 中古住宅は「現況有姿」の取引だが、表面から見ても建物の構造の状態はわからない
  • 仲介を行う不動産会社にも、建物の品質を判断する専門的な知識があるとは限らない
  • 購入後に欠陥が見つかっても、売主に責任を問える範囲や期間は限られている。

こうしたことから、「中古住宅の購入はギャンブルのようなもの」と表現する人さえいます。買った建物の善し悪しは「運次第」だから、というのです。残念ながら、日本の中古住宅市場では、まだまだ「建物の品質」が軽視されていると言わざるをえないでしょう。

不動産の査定で売却金額が分かります。

一生かかって返さなければならないようなローンを組んで買う家が、本当に安心して住める状態なのか、この先、何年間ちゃんと住めるのか、わからないのが現実なのです。

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